盾の受動防御に関して
About the Shields as Armour
 

 移動中、背後から矢が飛来したが、盾を背負っていたので損害を免れた…。これが、盾の受動防御である。だが、両手武器の使い手は盾を構えることが出来ないので、戦闘時も盾を身体に括り付けておこうと考えるだろうし、これを見た片手武器の使い手もさらに防御を固めるために同様なことをするだろう。かくして盾は、重装防具のさらに向こうにまとう第3の鎧、という様相を呈することになる(無論、このように盾を身体に括り付けた上で、〈受け〉るための盾を持てるようなら持つのだ)。
 では、受動防御を目的とした盾は、どこに括り付けられるのか、またどこを守るのか。それをまとめてみよう(ここでは、右腕を利き腕としている):

Shields Diameter Fixed Parts Armour Point Penny ENC
RL LL Ab Ch RA LA He
バックラー Buckler Φ 30cm 右脚(膝) Right Leg (Knee) 4             120 p. 1.00
左脚(膝) Left Leg (Knee)   4           120 p. 1.00
腹部(お腹) Abdomen (Stomach)     4         120 p. 1.00
右腕(肘) Right Arm (Elbow)         4     120 p. 1.00
左腕(肘) Left Arm (Elbow)           4   120 p. 1.00
ヒーター Heater 45×60cm 胸部(背中) Chest (Back)     6 6       60 p. 3.00
左腕(上膊) Left Arm (Upper Arm)       6   6   60 p. 3.00
ターゲット Target Φ 45cm 胸部(背中) Chest (Back)     6 6       60 p. 3.00
左腕(前膊) Left Arm (Forearm)     3 3   6   60 p. 3.00
カイト Kite 60×100cm 胸部(背中) Chest (Back) 8   8 8       120 p. 5.00
胸部(背中) Chest (Back)   8 8 8       120 p. 5.00
左腕(上膊) Left Arm (Upper Arm)     8 8   8   120 p. 5.00
ヴァイキング Viking Round Φ 60cm 胸部(背中) Chest (Back)     5 5 2 2 1 120 p. 4.00
左腕(前膊) Left Arm (Forearm)     5 5   5   120 p. 4.00
ホプライト Hoplite Φ 75cm 胸部(背中) Chest (Back)     9 9 3 3 3 150 p. 7.00
左腕(前膊) Left Arm (Forearm)     9 9   9   150 p. 7.00
スクートゥム Scutum 75×120cm 左腕(上膊) Left Arm (Upper Arm)     9 9   9   150 p. 7.00


 固定箇所が重なるような組み合わせは出来ない。例えば、左腕上膊部にヒーターを括り付けて左腕の肘にバックラーをつけることは出来ないが、背中にヒーターを付けてお腹にバックラーを付けることは出来る。
 バックラーを除き、盾を左腕に括り付けた場合、両手武器を用いるときには〈両手槍・盾併用〉技能と同様のペナルティーを受ける。
 左腕に付けた盾が前膊部にある場合、〈騎乗〉等の操作でも〈両手槍・盾併用〉技能と同様のペナルティーを受ける。
 固定箇所の下に着けた鎧がプレートであったなら、ねじ止めもできる(ふつうは革紐で縛る)。

 余談ながら、ルールブックにある「ホプライト」とは、シルエットを見る限りローマのスクートゥムのようである。ギリシア人の使ったホプライトは、丸い板の中心に星 [Boss] を付けた、ヴァイキングのラウンド・シールドとまったく同じ構造である。ここでは、ホプライトとスクートゥムを、ヒーターとターゲットのような関係で示しておく。