ルーンによる性格診断
Natura ex Runis
 

 グローランサにおけるあらゆる存在・運動はルーンが基となっており、これは人の心の動きも同様である(と考えられる)。ここでは、ロール・プレイの指針となるよう、キャラクターがどのようなルーンの下に生まれたのかを決定する方法について叙述する。

 ここで用いるルーンは、「三十の中核」のうち、「五元素」、「五変化」、「十極」の合わせて20のルーンだけである。「五界」および「五形態」についてはそれぞれ生まれた種族や社会によって完全に決められ、任意の入る余地がない。

 自分の信仰する神が持っているルーンについては、値に 50 を足すことができる(ただし上限は 100 。「五変化」の場合は、やはり同様に「均衡」の半分の値が上限になる。)

 それぞれの値を任意に決めたほうがプレイしやすい場合は、そうすべきである。ただし、上限は守るべきだし、「均衡」だけはロールしたほうがよい。

 
Quinque Elementi

五元素 Quinque Elementi

Nox 暗黒   Nox / Darkness
Aqua Aqua / Water
Terra 大地 Terra / Earth
Ignis Ignis / Fire
Aer Aer / Air

 「五元素」の値はそれぞれ 1D100 を振って求める。

 「暗黒」の影響下にある者は、片や実際的、片や卑怯な傾向がある。
 「水」の影響下にある者は、片や知的、片や迂遠な傾向がある。
 「大地」の影響下にある者は、片や堅実、片や自分本位な傾向がある。
 「火」の影響下にある者は、片や勇敢、片や傲岸不遜な傾向がある。
 「風」の影響下にある者は、片や柔軟、片や無節操な傾向がある。

 「五元素」に関しては、すべての値が高いよりも、一つの値が突出している方が「純粋」であると見なされ、その筋からは好意を持たれる。

 これらのタイプは、戦闘場面での特徴が分かりやすい。「暗黒」の高い者は矢に毒を塗って茂みに隠れ、「水」の高い者は《幻影》で相手を驚かせようと準備しているのに、「火」の高い者はすでに名乗りを上げて飛び出してしまう。にもかかわらず、まだ「大地」の高い者は黙々と〈浄化〉を繰り返している。「風」の高い者はそろそろ危ないと逃げる手段を講じる。

 
Quinque Modi

五変化 Quinque Modi

Aequabilitas 等価交換   Aequabilitas / Equal Exchange
Inæquabilitas 不等価交換 Inæquabilitas / Unequal Exchange
Libra 均等 Libra / Balance
Recreatio 創造 Recreatio / Recreation
Annihilatio 消滅 Annihilatio / Annihilate

 「五変化」の値は、まず「均等」を 1D100 を振って求め、これをに倍した値が「等価交換」と「不等価交換」、「創造」と「消滅」それぞれの足した値の上限となる。そしてこれらの一方を 1D100 で求めたら、他方を「均等」の倍の値からの差で求める。ただし、いずれの値も上限は 100 である。

 「均等」の影響下にある者は、状況に応じて最善の選択をいつも採りうる。
 「等価交換」の影響下にある者は、誇り高く、同時に不器用である。
 「不等価交換」の影響下にある者は、分際をわきまえているが、しばしば自らの劣位を正当化する。(ために、盗みも辞さない。)
 「創造」の影響下にある者は、人に優しく、物を大事にするが、整理整頓ができない。
 「消滅」の影響下にある者は、ニヒリストである。日常の煩わしさにはとらわれないが、つねに心の飢えを感じている。

 タイプ的には、「等価交換」と「創造」の高い“君子”、「等価交換」と「消滅」の高い“覇者”、「不等価交換」と「創造」の高い“忠臣”、「不等価交換」と「消滅」の高い“策士”に分かれると思われる。
 「均等」の影響下にあるためには、「均等」が高いだけでなく、他の4つの値が「均等」に近いものでなければならず、非常に得がたい資質となっている。

 
Dicem Poli

十極 Dicem Poli

Harmony 調和   Harmonia / Harmony
Disordinatio 無秩序 Disordinatio / Disorder
Modus 移動 Modus / Movement
Statio 安定 Statio / Statis
Vivacitas 豊饒 Vivacitas / Fertility
Mors   Mors / Death
Veritas 真実 Veritas / Truth
Illugio 幻影 Illusio / Illusion
Lex 秩序 Lex / Law
Chaos 混沌 Chaos / Chaos

 「十極」の値は、相対する一方の値を 1D100 を振って求め、100 からこれを引いてもう一方の値を求める。やはり上限は 100 である。

 「調和」の影響下にある者は、調停者として尊敬され、仕切屋として敬遠される。
 「無秩序」の影響下にある者は、不真面目であるが、愛嬌がある。
 「移動」の影響下にある者は、骨惜しみしないが、落ち着きがない。
 「安定」の影響下にある者は、沈着だが、決断力に欠ける。
 「豊饒」の影響下にある者は、人を愛する心を持っているが、浮気性とも取られる。
 「死」の影響下にある者は、往々にして無謀であるが、思い切りがよい。
 「真実」の影響下にある者は、誠実だが、ために無口か、思慮に欠ける発言を繰り返す。
 「幻影」の影響下にある者は、社交的だが、軽薄である。
 「法」の影響下にある者は、公正だが、融通が利かない。
 「混沌」の影響下にある者は、自分勝手だが、個性的で魅力的である。

 全般的に、左側の能力が高い人は上司に信頼され、部下に慕われる。右側の能力が高い人は同僚に愛される。


エミーネ・ハナルダの性格を占う

これ、そこを行くお嬢さん。」
何やねん、おばちゃん。」
お嬢さんには大いなる成功と目も当てられない悲劇の両方が見える。時勢もこんな折、一つ自分の運命を占ってみようとは思わないかい?」
無料?」
見料は銀貨5枚だよ。」
ほなな。」
待ちなさい。じゃあ、銀貨4枚。」
3枚。」
足元を見る娘だね。まぁいいさ、今日はあんたで店じまいだし。
さてと、お嬢ちゃん、まずどんな神様を信じているんだい?」
“癒し手”アーナールダやで。」
ふむ、では豊饒、大地、大地、調和か。
じゃあまずはと、五元素を見ようかね。『大地』はすでに確定済みだから、と、そこの丸いボール、4回振ってみてくれるかい?」
うわ、ぎょうさん数が書き込まれた玉やな、これ何?」
100面体ダイスだよ。割れやすいから強くぶつけないどくれ。」
ほな、37、11、92、27。」
ええと、『暗黒 37:水 11:大地 100:火 92:風 27』か。あんた、自分より偉い人間なんてそうはいない、そう思ってない?」
え、えぇっ! (…図星や。)」
まぁ、財産を貯めるだけでなく、いざとなったら投機もする、あんた大金持ちになるかもしれないね。それと、あんたの想い人はイェルマリオ辺りかもしれないね。」
え~、あんな弱いくせに威張ってる奴ら、嫌やで。」
でも顔はいいからね。分からないさ。
じゃあ次だ。五変化を見よう。まず、ダイスを1回だけお振り。」
てや! 77 や。」
あぁ、その値は…と、ここでは関係ないね。『均等 77』と。じゃ、後2回お振り。」
56 と 14。」
ふむ、『等価交換 56:不等価交換 98:創造 54:消滅 100』か。あんた、飽きた男はすぐポイって感じだね?」
そんな非情なこと、よぅせんで、ほんま。 (…なんでや。)」
隠したって分かるさ。あと、使い込みはしないようにね。
さぁ最後だ。十極を見るよ。まず、ダイスを5回お振り。」
いくで、01、00、64、12、27 や。」
さてさて、『調和』と『豊饒』があるんだったね。で、『調和 51:無秩序 49:移動 100:安定 0:豊饒 100:死 0:真実 12:幻影 88:法 27:混沌 73』か。」
『混沌 73』ってどういうことやねん?」
気にしなくていいよ、そういう風に人の話をさえぎってしまうような性格を言ってるだけだから。ま、言うまでもなくあんた、落ち着きないだろう? 言動でも、対人関係でも。つまり、がさつで浮気性。」
ちょ、ちょっと待ってんか? せやて、何? あて、生意気ぃ、非情ぅ、使い込みしぃ、がさつぅ、浮気性ぅ、言われて、何で銀貨3枚も払わなかあかんの? なぁ、おばちゃんも訴えられたくはないやろ? 人を小ばかにしたのはこの際、目ぇつむったるから、このまま黙って返しや。」
あぁ、やっぱり『不等価交換』の力が…。」
何?」
はいはい、返しますよ。怖いお嬢ちゃんだ。あたしも『真実』の下にある以上、この商売、向いてないのかもしれないねぇ。」
ありゃりゃ、ほんまに返してくれるとは思わんかったわ。さてと、あては夕飯でも食べに行こかな。何や得した銀貨3枚、一緒に食事してくれる人におごりたい気分なんやけど、おばちゃん、付きあわへんか?」